私が走ったのはマミートラック。ワーママの働きやすさを選べる時代になればいいと思う
2017/10/19
「マミートラック」って言葉、知っている人はよくご存知かもですね。
マミートラックというのは
子どもを持つ女性の働き方のひとつで、仕事と子育ての両立はできるものの、
昇進・昇格とは縁遠いキャリアコースのこと
引用:コトバンク
時短勤務などで仕事をしながら育児はしているものの、
本来の昇格ルートとは別の道を歩くっていうもの。
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目次
マミートラックは人によって良くも悪くもなる
私の世代(育休復帰が10年ほど前)では、
「時短勤務者は出世できない」っていうのは暗黙の了解だったんですよね。
子どもがいることでの負担は周りが背負うから、その代わりに昇格はできないよと。
最近ではそういう流れが変わっていって、
子育て中の女性にもキャリアを積ませようっていう会社も増えてきました。
(資生堂ショックなどがその代表例)
でもこの「マミートラック」
人によってはそれをありがたいと思う場合もあるでしょうし、
一概に悪いものだとは言えないって思うんですよね。
だって、マミートラックを走らなきゃ働けないってママもやっぱりいるので。
私が走っていたのもマミートラックだった
私が育休明けに復帰したとき、走っていたのもマミートラックでした。
復帰明けに言われたことは、
「あなたは時短者だから同じ評価テーブルにはのせられない」
「基本的には他の人のサポートに回って」
私は営業職だったんですが、要はこれ、
契約が取れる一歩前の段階になったら他の人に担当を変わって、というもの。
私には数字の目標が課されることはなく、主に新人教育がメインでした。
正直、ものすごく嫌だった。
嫌がられながら何人にも電話して、来店客に声をかけまくって、やっと話を聞いてくれるお客さん。
私が見つけてきたお客さんなのに。私が契約取れるのに。
時短だからお給料が下がるのは仕方ない。
でも私の営業目標までとってしまうのはどうなんだろう、と。
私の仕事へのやりがいを奪ってしまうのはどうしてなんだろう、と。
それでも私への対応は上司にとっては「融通をきかせた」というものだったんですね。
子どもがいたら大変でしょ?と。
営業ノルマなんてあったら、帰れなくなって困るでしょ?と。
終電でなんて帰れないでしょ?と。
子どもがいるよ。子どもの寝る時間があるよ。明日も早く起こさなきゃだよ。
でも、でも私は私なりにできる仕事をしていて、それを評価してほしかった。
評価の結果、「あなたはダメだ」でもいいから、同僚と同じテーブルに座りたかった。
状況によってはマミートラックでしか働けない主婦
当時は「なんで?!なんで?!」という気持ちから、
「まぁ仕方ないか…」という気持ちで決着をつけてたんですが、
今思うと、そういう働き方でないと私の場合は仕事できなかったんですよ。
・旦那さんは早朝勤務、深夜まで帰ってこないのでサポートは無理
・実家は両方ともに遠方、しかも高齢者
そのうえ私自身、「子どもを長時間預けたくない」と思ってました。
私しか子どもの世話をする人がいない状況で、しかも24時間保育とかは嫌だ。
周りの同僚は夜まで働いていて、私にはそれはできない。
「キャリアか子どもか」と言われたら全力で子どもです。
どんな状況であれ、仕事を優先させることは私にはないです。
そういう状況だと、私にはマミートラックしか走れませんでした。
しかも、マミートラックがなければ私は復帰さえもできていませんでした。
母親が働き方を選べる時代になればいい。心からそう思う
『「女性にやさしい」その先へ』という、資生堂ショックを題材にした本があります。
資生堂ショックとは…
子育て中の社員に手厚い支援制度をしてきた資生堂が、短時間勤務者の方針を見直し。
それぞれの事情に合わせて土日勤務や平日の夜間勤務を考える、というもの。
この「資生堂ショック」は、一時期ネットを炎上させることになります。
「子育て中の女性が仕事をしにくくなるじゃないか!」
「時短勤務者にとってのヒドイ制度だ!」みたいな。
でもこの制度って、子育て中の女性に画一的な支援しかなかった今までと違って
これからは子育て中でもキャリアが積める働き方を提示しようってことだと思うんですね。
「お前、みんな働いてるんだから残業しろよ!」ではなく。
「子供いるんだから無理だよね」でもなく。
支援をして欲しい人だけではない。支援が必要、でもキャリアを積みたい人はいる
核家族、しかも高齢出産の時代、
会社からの支援がなければ働くことができない人って多いです。
私だって時短制度がなければ、復帰もできなかったでしょうし
「融通をきかせて」もらわなければ、お迎えの時間に間に合わなかった。
それでもやっぱりキャリアを積みたいって人、少なくないと思うんですよね。
「土日なら旦那さんがいるから、出勤できる」
でも子どもがいるから声さえかけてもらえない。
そういう状況って、少なからずあります。
配慮のつもりでの対応が、働く母にとってのやりがいを奪っていたり。
逆にキャリアのための配慮が、働く主婦の負担になっていたり。
事情はそれぞれに違うので、その人に合わせた働き方があるはずなんですよね。
退職するときに私が言われたこと
私が退職が決まり、お世話になった上司に報告したときのこと。
「もっとちゃんと働きたかった」私が言うと
「でもそれは無理だったでしょ」と。
そうですね、無理だったんです。
だって子どものお迎えは行ってあげたいし、残業はできない。
当時の勤務先の「きちんと働く」は残業とイコールでしたから、
時間の制約がある私には、土台が無理な話でした。
でも、それが無理じゃない会社がたくさんできるといい。
「残業はしません、でもきちんと成果は残すので評価してください」
と言える会社がどんどん増えていくといい。
一人ひとり状況の違う働く主婦が、
一人ずつの仕事に働きやすさを求められるようになったらいい。
そんなふうに思ったりしてる。